ミャンマーの植物に抗がん成分、新薬開発に期待 名市大など発見
ミャンマーの植物に抗がん成分、新薬開発に期待 名市大など発見
2021年7月15日 05時00分 (7月15日 08時34分更新)
名古屋市立大と高知県立牧野植物園(高知市)などのグループは、ミャンマーで採集したキョウチクトウ科の植物から、抗がん剤への活用が期待できる成分を見つけたと発表した。同大と、長年ミャンマーの植物調査を続ける同園は三月に連携協定を結び、新薬開発を進めており、同大の担当者は「同園の珍しいコレクションが発見につながった」と喜ぶ。
成果は、英オンライン科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
見つけたのは、ミャンマーの国立公園で採集されたキョウチクトウ科の植物の茎から取り出した「ペリプロシン」という成分。細胞内にたまった異常なタンパク質を処分する仕組み「小胞体ストレス応答」が活性化しすぎるのを防ぐ効果があると分かった。この仕組みが働きすぎると、糖尿病やがんの発生や進行につながってしまうという。
研究は、水上元・同大客員教授が今年三月まで牧野植物園の園長を務めていたことが縁で、三年ほど前から進められてきた。同園が保管するミャンマーの植物七百種から抽出されたエキスを使用。人工的に作成したがん細胞に一つ一つ加えて調べた。
その結果、小胞体ストレス応答の慢性的な活性化によって起きると考えられて...
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